ウイスキー基礎知識 第0回:醸造酒と蒸留酒
さて、ウイスキー基礎知識の0回目、はりきってやっていきますよ。
ただ、今回は ”0回目” なんです。
なぜ0回目かというと、この回は人によっては読まなくてもいいからなんですね。
じゃあどういった人が読まなくていいのかというと…
ここで突然ですがクイズです。
以下にお酒をグループ分けしたものを示します。
このグループはある基準によって分けられています。
その基準とはなんでしょう。
グループ①:ビール・日本酒・ワイン
グループ②:ウイスキー・焼酎・ブランデー
このクイズがわかる人は、この回は読まなくても大丈夫です。
わからなかった人も、この回が終わるころにはわかるようになります。
答えは…
ここで出てくる「醸造」と「蒸留」とは、いったい何なのでしょうか。
醸造
ちょっと話は変わりますが、世界にはいろいろな原料を使ったお酒がありますよね。
麦芽が原料のビール、お米が原料の日本酒など穀物が原料のもの。
ブドウが原料のワインや、リンゴが原料のシードルなど、果物が原料のもの。
そのほかにもたくさんのお酒がありますが、反対に、お酒の原料として全く見かけないものもあります。
ほうれん草のお酒や、牛肉のお酒というのなんて聞いたこともありませんよね(ちゃんと調べてないので、存在したらごめんなさい)。
この、お酒の原料になるかならないかということに、醸造が関わっています。
お酒造りにおける醸造とは、「酵母が糖を食べるときに、条件を整えると*1アルコールができることを利用してアルコールを生成すること」です。
ここで重要なのは、アルコール生成には糖が必要ということです。
果物には言わずもがな糖分が含まれていますし、穀物にもデンプンが含まれているのでそれを糖に変えてあげれば、醸造することでお酒ができます。
反対に、糖がない食品はお酒にはならないということですね。
今紹介した、醸造という過程を経て作られたお酒を醸造酒と呼びます。
蒸留
お次は蒸留です。ただ、蒸留の方が言葉自体はなじみがあるかもしれません。
中学理科で習いましたよね。
蒸留というのは「混合物を蒸発させ、蒸気を再び凝縮することで、沸点の違う物質をわける」ことです。
お酒における蒸留は、「水(とその他のさまざまな物質)とアルコールを分けること」です。
水の沸点は100℃なのに対して、エチルアルコールの沸点は78.3℃ということで、アルコールは水より蒸気になりやすいわけです。
なので、醸造してできた、水とアルコールの混合液を蒸発させ、蒸気をあつめて凝縮させると、元の液よりアルコール度数は上がるわけです。
このようにできたお酒を蒸留酒と呼びます。
あくまでアルコールを濃縮しているだけなので、元の液体にアルコールがないとお酒になりません。
つまり蒸留は、醸造のあとに行われる工程なんですね。
ワインを蒸留するとブランデーに、日本酒を蒸留すると米焼酎になります。
おそらくそんな無駄なことはしないで、ブランデーならブランデー作る用に醸造していると思いますが笑。
醸造酒はせいぜいアルコール度数15%が限界ですが、蒸留酒は蒸留を繰り返し行うことで度数90%超えも可能になります。
また、これは余談ですが、ブランデー・ウイスキー・焼酎を除いた蒸留酒(主にジン・ウォッカ・テキーラ・ラム)のことをスピリッツと呼びます。
最後に
さて、醸造酒と蒸留酒ということでやってきましたが、皆さん違いがお分かりになったでしょうか。
これを知っていれば、この先のウイスキー基礎知識もすんなりと入ってくるはずです。
また、これはこの回に限らないのですが、「ここは違うんじゃないか」など意見はじゃんじゃんお待ちしておりますので、なにかありましたらコメントをお願い致します。
それでは次回、ついにウイスキーの話に入っていきますのでお楽しみに。
*1:具体的には嫌気条件下