ウイスキー基礎知識 第1回:ウイスキーって何?
さてウイスキー基礎知識の第1回、やっていきましょう。
ウイスキー基礎知識の一回目ということで、今回はウイスキーとは何かということについて扱っていきます。
皆さんのウイスキーに関するイメージはどのようなものがあるでしょうか。
「BARでおじさんが飲む酒」「度数が強い」「ブラックニッカ焼きそば」など、いろいろあると思います。
そのイメージはおおむね正しいのですが、「ウイスキーとは何か」という問いに正確に答えられる人はそう多くないんじゃないかと思います。
ウイスキーの定義は国によってさまざまなのですが、一般的には
「穀物を原料に、醸造・蒸留を行い、木造の樽で貯蔵・熟成させてできるお酒」
と定義されています。
醸造・蒸留とはなんぞやという方はこの記事をご覧ください。
穀物が原料なので、大麦麦芽を原料とし醸造したビールや、米・麦を原料とし蒸留した焼酎はお仲間になります。
それらと比較して特徴的なのは「木の樽で熟成させる」という部分で、これを経ることで、透明なお酒が琥珀色になります。
樽にどういった木材を使うかということで、ある程度味の指針が決まってきます。
「最終的な味の70%は樽が決める」なんて言葉もあるくらいなので、非常に重要な工程です。
また、焼酎は1回蒸留なので度数は20°程度ですが、ウイスキーは2回以上蒸留するため度数は原則40°以上になります。
国によっては度数40°以上にしないとウイスキーと呼べないところもあります。
原料に何を使うかというところでウイスキーの種類が分けられるのですが、それは次回扱っていきます。
また余談ですが、この基礎知識系とは別に、ウイスキーの製造工程の解説と、樽についても解説もしたいなあと思っております。
とりあえずまず基礎知識の作成に集中して、終わったら考えたいと思います。
ではまた次回。
ウイスキー基礎知識 第0回:醸造酒と蒸留酒
さて、ウイスキー基礎知識の0回目、はりきってやっていきますよ。
ただ、今回は ”0回目” なんです。
なぜ0回目かというと、この回は人によっては読まなくてもいいからなんですね。
じゃあどういった人が読まなくていいのかというと…
ここで突然ですがクイズです。
以下にお酒をグループ分けしたものを示します。
このグループはある基準によって分けられています。
その基準とはなんでしょう。
グループ①:ビール・日本酒・ワイン
グループ②:ウイスキー・焼酎・ブランデー
このクイズがわかる人は、この回は読まなくても大丈夫です。
わからなかった人も、この回が終わるころにはわかるようになります。
答えは…
ここで出てくる「醸造」と「蒸留」とは、いったい何なのでしょうか。
醸造
ちょっと話は変わりますが、世界にはいろいろな原料を使ったお酒がありますよね。
麦芽が原料のビール、お米が原料の日本酒など穀物が原料のもの。
ブドウが原料のワインや、リンゴが原料のシードルなど、果物が原料のもの。
そのほかにもたくさんのお酒がありますが、反対に、お酒の原料として全く見かけないものもあります。
ほうれん草のお酒や、牛肉のお酒というのなんて聞いたこともありませんよね(ちゃんと調べてないので、存在したらごめんなさい)。
この、お酒の原料になるかならないかということに、醸造が関わっています。
お酒造りにおける醸造とは、「酵母が糖を食べるときに、条件を整えると*1アルコールができることを利用してアルコールを生成すること」です。
ここで重要なのは、アルコール生成には糖が必要ということです。
果物には言わずもがな糖分が含まれていますし、穀物にもデンプンが含まれているのでそれを糖に変えてあげれば、醸造することでお酒ができます。
反対に、糖がない食品はお酒にはならないということですね。
今紹介した、醸造という過程を経て作られたお酒を醸造酒と呼びます。
蒸留
お次は蒸留です。ただ、蒸留の方が言葉自体はなじみがあるかもしれません。
中学理科で習いましたよね。
蒸留というのは「混合物を蒸発させ、蒸気を再び凝縮することで、沸点の違う物質をわける」ことです。
お酒における蒸留は、「水(とその他のさまざまな物質)とアルコールを分けること」です。
水の沸点は100℃なのに対して、エチルアルコールの沸点は78.3℃ということで、アルコールは水より蒸気になりやすいわけです。
なので、醸造してできた、水とアルコールの混合液を蒸発させ、蒸気をあつめて凝縮させると、元の液よりアルコール度数は上がるわけです。
このようにできたお酒を蒸留酒と呼びます。
あくまでアルコールを濃縮しているだけなので、元の液体にアルコールがないとお酒になりません。
つまり蒸留は、醸造のあとに行われる工程なんですね。
ワインを蒸留するとブランデーに、日本酒を蒸留すると米焼酎になります。
おそらくそんな無駄なことはしないで、ブランデーならブランデー作る用に醸造していると思いますが笑。
醸造酒はせいぜいアルコール度数15%が限界ですが、蒸留酒は蒸留を繰り返し行うことで度数90%超えも可能になります。
また、これは余談ですが、ブランデー・ウイスキー・焼酎を除いた蒸留酒(主にジン・ウォッカ・テキーラ・ラム)のことをスピリッツと呼びます。
最後に
さて、醸造酒と蒸留酒ということでやってきましたが、皆さん違いがお分かりになったでしょうか。
これを知っていれば、この先のウイスキー基礎知識もすんなりと入ってくるはずです。
また、これはこの回に限らないのですが、「ここは違うんじゃないか」など意見はじゃんじゃんお待ちしておりますので、なにかありましたらコメントをお願い致します。
それでは次回、ついにウイスキーの話に入っていきますのでお楽しみに。
*1:具体的には嫌気条件下