うさぎは寂しくても死なない

備忘録を兼ねたブログ お酒(特にウイスキー)のことについてよく書きます

ウイスキー基礎知識 第4回:世界の五大ウイスキー(中編)

 

ウイスキー基礎知識4回、世界の五大ウイスキーの中編です。

今回はスコッチとジャパニーズ以外の地域を扱います。

スコッチに関してはこちらを。

 

chinomia1204.hatenablog.com

 

 

それではやっていきましょう。

アイリッシュ

アイルランドは、イギリスと聞くとイメージされるグレートブリテン島の西にある島で、北側はイギリスの一地域、南側がアイルランドになっています。

アイルランドウイスキー発祥の地であり、かつては生産量一位を誇っていましたが、1920年代、アメリカへの輸出が途絶えその後衰退の一途をたどります。

ただ、現在は世界的なウイスキーブームとともに再評価され、復活してきています。

 

アイリッシュには一般的なシングルモルトブレンデッドウイスキーのほかに、「シングルポットスチルウイスキー」と呼ばれる伝統的なウイスキーがあります。

これは大麦麦芽に未発芽大麦、その他の穀物を加え、3回蒸留して作り出されるウイスキーです。

アイリッシュの特徴でもある、独特の油っぽさと穏やかな味わいはこの作り方から生まれるんですね。

 

代表銘柄:ジェムソン、ブッシュミルズ、レッドブレスト

ジェムソンは世界で一番売れているアイリッシュウイスキーです。飲みやすく、カクテルの素材や割り材にしてもOK。これはブレンデッドです。

ブッシュミルズは世界最古と名高いブッシュミルズ蒸留所で作られるシングルモルトです。

レッドブレストはシングルポットスチルウイスキーで、アイリッシュの中では重めの酒質と味わいです。

 

 

アメリカン

これは説明不要ですね、アメリカのウイスキーです。もともとはスコットランドアイルランドの移民が始めたウイスキーですが、禁酒法時代などを経て独自の発展をしています。

種類としては、最もポピュラーなバーボンと、現在ジャックダニエルが単一銘柄となっているテネシーウイスキーです。

某探偵マンガに出てくるバーボンさんのバーボンは、アメリカのウイスキーの一種類だったんですね。

 

バーボンは半分以上トウモロコシを原料にしなければならなかったり、新樽の内側を焦がして使うなどの特徴があります。味の特徴としては、トウモロコシ由来の甘さが挙げられるでしょうか。

 

テネシーウイスキーは、テネシー州で作られるウイスキーです。といっても原料や製法はほぼバーボンと同じです。

違うのは、チャコールメローイングという部分。サトウカエデの炭の層にお酒をくぐらせ、ろ過します。

これをすることでやわらかい口当たりになるんだとか。

 

ちなみに豆知識ですが、世界で一番売れているアメリカンウイスキージャックダニエルです。なのでバーボンではないんですね。

 

ジムビームとか有名だけど紹介するほどのものじゃない気がするので、ストレートで飲めるものを代表にします。

 

代表銘柄:メーカーズマーク、ワイルドターキー

メーカーズマークは赤い封蝋が目印のバーボンです。小麦を原料に使っているのが特徴。

味は優しい甘さで、はちみつみたいな味がします。

2000円強で買えるのでコスパも最高です、結構置いてあるの見ます。

ワイルドターキーはバーボンらしいバーボンです。骨太で荒々しく、樽の香りが強いのが特徴です。

 

 

③カナディアン

カナディアンはカナダで作られるウイスキーです。

アメリ禁酒法時代に、カナダはアメリカへの輸出を禁止せず、大量のウイスキーを製造・密輸することで莫大な富を築くと共に、アメリカ市場に浸透していきました。

 

種類としては、「フレーバリングウイスキー」というライ麦・トウモロコシ、ライ麦麦芽などを用いたものと、「ベースウイスキー」というトウモロコシ原料のものがありますが、ほとんどの製品が両者を混合した「カナディアンブレンデッドウイスキー」となります。

 

味の特徴としては、ライ麦由来のスパイシーさや、すべての蒸留器が連続式であるため、ライトな酒質であることが挙げられます。

 

代表銘柄:カナディアンクラブ

カナディアンウイスキーで最大の売り上げを誇るカナディアンクラブ。というか日本ではこれ以外なかなかお目にかかれません。

C.C.の名で親しまれることもあり、カクテルベースにもよく使われています。

某アニメの緑髪のピザ女じゃないです。僕はピザ女大好きですけど

 

 

 

終わりに 

ところ変わればということで、国ごとに様々な個性があることがおわかりいただけたましたでしょうか。

次回はいよいよ後編、ジャパニーズウイスキーについて扱います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウイスキー基礎知識 第4回:世界の五大ウイスキー(前編)

 

ウイスキー基礎知識4回目、お待ちかねの方も多いかもしれない世界のウイスキーです。

それではやっていきましょう。

 

 

世界の五大ウイスキーとは

 ウイスキーは世界中で作られていますが、その中でも特に有名な産地が五つあります。

それは

スコットランド(スコッチ)

アイルランドアイリッシュ

アメリカ(アメリカン)

・カナダ(カナディアン)

・日本(ジャパニーズ)

です(括弧内はそこで作られたウイスキーの名称として使われています)

 

スコッチは書くことが多いので、前半はスコッチのみの紹介で、後半に他4地域の紹介となります。

 

スコッチとは

五大ウイスキーの中で圧倒的存在感を誇るスコッチ。

これを作るスコットランドは、イギリスを構成する地域の一つで、一般的に想像するイギリスの島の北の方と周辺の島々が国土にあたります(ウルトラ雑な説明)。

北海道と大差ないくらいの面積しかありませんが、ウイスキー全消費量の6割近くを担うスコッチが作られています。

なんたってウイスキーが今の形になったのはスコットランドですからね、聖地みたいなもんです。

 

特徴として、ピートと呼ばれる炭を焚くことによるスモーキーな香りが挙げられます。ただ、すべてのウイスキーがスモーキーなわけではなく、どれくらいスモーキーにするでかなり個性が出ます。

 

製品としては、単一蒸留所のモルトウイスキーのみを瓶詰めした「シングルモルト」、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混合した「ブレンデッド」が一般的です。

ウイスキー詳しくない人でもブレンデッドの銘柄は聞いたことはあるくらい、ブレンデッドは人気ですよね(ジョニーウォーカーバランタインなど)。

 

 

現在はシングルモルトブームで、シングルモルトの生産が拡大しています。

スコットランドは地域ごとに様々な特徴があり、6つの地域に分けられています。

それぞれ特徴と、代名詞となる蒸留所を紹介していきます。

 

①スペイサイド

スコットランド本島北東部、スペイ川流域を指します。

かつての密造の中心であり、最も多く蒸留所が存在するエリアです。

山脈がもたらす冷涼な気候と、川の良質な水に恵まれた地域です。

特徴としては繊細で、花のような香りのするエレガントな名酒がそろっています。

 

代表蒸留所:グレンリベット蒸留所

公認蒸留所一号ですからね、すべてのスコッチの基本とも呼べる要素が詰まっています。

 

 

②ハイランド

スペイサイドを除く、スコットランド本島北部を指します。

広いので、さらに東西南北を分ける場合もあります。

あまりに広いので、地域としての味の特徴はないです…。

 

代表蒸留所:グレンモーレンジィ蒸留所

グレンモーレンジィは北ハイランドにある蒸留所です。ブレンデッドに原酒を提供せず、シングルモルト一筋でやっているなど、こだわりが強いです。

香りも華やかで飲みやすく、個人的におすすめです。

記事はこちら。

chinomia1204.hatenablog.com

 

③ローランド

スコットランド本島の南部を指します。

昔は栄えていましたが、現在シングルモルトを作っている蒸留所は3,4つくらいです。

特徴としては、スコッチは普通2回蒸留なのにローランドでは3回蒸留をすることです。

これによりライトな酒質で、麦の味が素朴に感じられるのが特徴です。

 

代表蒸留所:オーヘントッシャン蒸留所

ローランドといったらここ、って感じの蒸留所です。

たしかこの蒸留所はサントリーの傘下なので、日本でも割と見かけると思います。

 

 

④キャンベルタウン

スコットランド本島西部に突き出した、キンタイア半島にある港町を指します。

かつてはウイスキーの首都と呼ばれ、全盛期には30を超える蒸留所が存在しましたが、現在は3つのみとなっています。

味の特徴としては、「ブリニー」と称される、独特の塩辛さがあります。海が近いためでしょうか。

 

代表蒸留所:スプリングバンク蒸留所

独立資本でありながら、瓶詰め施設まで持ち、すべての麦芽を自家製麦でまかなう最強っぷり。

また、基本的にスコッチは蒸留所名=商品名になるのですが、ここではスプリングバンク以外に、作り方を変えたヘビーピートの「ロングロウ」、ノンピートで3回蒸留の「ヘーゼルバーン」を商品として出しています。

スプリングバンクの記事はこちら。

 

chinomia1204.hatenablog.com

 

⑤アイラ

スコットランド西部にある、アイラ島を指します。

面積は小さいですが、蒸留所が8(9)つ存在し、そのどれもがシングルモルトを中心に作っています。

この島は1/4がピートで覆われている湿原だそうで、河川などの水源も、ピート由来の茶色を帯びているそうです。

 

味の特徴としてはまずピートをふんだんに炊き込んだスモーキーな味わいが挙げられます。また、海沿いの蒸留所が多いため、潮の香りがするのも特徴です。

現在のシングルモルトブームの火付け役であり、熱狂的なファンが数多く存在します。

 

代表蒸留所:ボウモア蒸留所

アイラはどの蒸留所も個性的で、代表を選ぶのが難しいのですが、まあボウモアかなと。

操業も今あるアイラの蒸留所最古で、仕込み量も一番多かったと思います。

サントリーが買収している蒸留所なので、普通にスーパーとかに売ってる時もあります。

アイラの中ではスモーキーさが中くらいかやや弱めなので、まずアイラってどんなもんかを味わうにはちょうどいいと思います。

ボウモアの記事はこちら。

 

chinomia1204.hatenablog.com

 

アイランズ

これでラストです。アイラではなくアイランズです(紛らわしい)。

これはアイラ島を除く、スコットランド本島以外の島で作られたウイスキーを指します。islandsってことです。

アイランズの特徴はあまり共通するものがありませんが、それぞれの島の風土、特徴がでた個性的なウイスキーが数多くあります。僕はアイランズウイスキーに好きなものが多いです。

 

代表蒸留所:タリスカー蒸留所

いやーアランとかハイランドパーク入れたかったんですけどね(自分の好み)。やはりタリスカーでしょう。

タリスカースコットランド北部にあるスカイ島の蒸留所です。

その味わいは胡椒のような強烈な味わいが特徴で、好きな人は病みつきになります。

公式がタリスカー10年をハイボールにして、最後に粒胡椒散らす飲み方推奨してるくらいです。味わいは意外と甘いというか、バランスが取れています。

 

 

おわりに

ということで世界の五大ウイスキーのスコッチ編でした。やっぱスコッチが好きなのでどうしても長くなってしまいますね。

スコッチの良さの一つは、このように地域によって味や特徴が全然違うことです。どれだけ飲んでもまだ知らないボトル、蒸留所が出てきます。

皆さんもぜひ飲んでみてください。

 

次回は他の4地域について扱います

 ※訂正

日本のウイスキーが長くなってしまったのでそれを切り離して、前・中・後編の構成にします。