ウイスキー基礎知識 第3回:ウイスキーの歴史
ウイスキー基礎知識、3回目です。
前回はウイスキーの種類についてお話ししました。
モルトウイスキーとグレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーの違いはもうお分かりになりましたでしょうか。
このウイスキーですが、どこで生まれ、どのように今日まで発展してきたのか。
今回はそれを扱いたいと思います。
ウイスキーの始まり
密造酒時代
ウイスキーが生まれてから18世紀ころまでは、ニューポットといわれる蒸留したての無色透明の液体でした。
ではどのように樽に入れ、熟成させるという工程が生まれたのでしょうか。
それには「密造」が密接に関わっています。
それを逃れようとした生産者は、北部の山が深いハイランド地方に潜伏し、ウイスキーをひそかに作り続けます。
これによりウイスキーは樽熟成という過程を経ることになったのです。
密造酒時代、ハイランドの山々の谷に隠れてウイスキーを作っていた名残なんですね。
この樽で熟成したウイスキーがおいしいとひそかに人気を集めていきます。
税金の課税差別の撤廃や、当時のイギリス国王がスコットランドを訪れた際に、密造酒であるグレンリベットのウイスキーを所望したこともあり、1823年にグレンリベット蒸留所が政府公認蒸留所第一号として認められます。
その後、次々に蒸留所が認められていき、密造酒時代は終わりを告げます。
世界に羽ばたくスコッチウイスキー
それが世界的なお酒になるには、2つの理由があります。
一つ目はブレンデッドウイスキーの誕生です。
前回の記事でブレンデッドウイスキーについて述べましたが、個性が強いモルトウイスキーと、無個性なグレーンウイスキーを混ぜることで、万人受けする味へと変化を遂げました。
これが世界中で好まれるようになった理由です。
二つ目は、フィロキセラの大流行です。
当時のロンドンの食後酒といえばブランデー。しかし、フィロキセラの流行でワインやブランデーを作ることができなくなり、しぶしぶウイスキーに手を伸ばしたというわけなんですね。
今のウイスキー
さて、だいぶ長くなってきてお疲れの方もいるでしょう。
大丈夫、これで終わりです笑。
ここまでの話は、ウイスキーに関する書籍に書いてあるいわゆる「教科書」的な内容でした。
では、今のウイスキーはどうなのでしょうか。
さまざまな蒸留所が苦難に直面し、多くの蒸留所が廃業・閉鎖となりました。
この原因は、さまざまな専門家が言及しているものの、確たるものはわかっていないそうです。
一方で、需要の増加に供給が追い付いていない側面もあります。
日本のウイスキーにおいても、白州12年や響17年が終売になっています。
ウイスキーにおいて〇年とは、〇年以上のお酒しかつかっていないということであり、1980-2000年の不況の時期に生産を縮小したことで、その時期の原酒を使うお酒が造れなくなっているんですね。
今、各蒸留所は増産体制をみせ、閉鎖していた蒸留所も再開の予定が立っていたり、新しい蒸留所建設の計画も次々に立っています。
その流れが身を結ぶのは5年、10年かかるので、その時もウイスキーのブームが続いていることを願うばかりです。
さて長くなってしまいましたが、ウイスキーの歴史でした。
次回は世界の五大ウイスキーについて紹介します。
それではまた。